北海道にプロサッカーチームが1チームしかないのは、ヨーロッパから見れば考えられないようです。
文化や歴史の違いがあるとはいえ、北海道とヨーロッパとのサッカー事情の差がどの程度のものか調べてみました。
北海道と人口、経済規模、気温が比較的近いノルウェー、フィンランド、スコットランドとの比較です。
こうして見るとヨーロッパ的には、北海道なら10チーム以上の単独リーグがあっても不思議ではありません。
歴史が浅いのかと思いきや、北海道サッカー協会は90年近い歴史があり、北欧各国からの遅れは30年足らずです。
FIFAランク(2017年3月)も日本の方が上位ですから、諸外国から見れば、北海道もサッカーが盛んな地域と思われても不思議ではありません。
北海道はサッカーをするには気候的に厳しいと言われますが、ノルウェーやフィンランドには、北海道より厳しい気象環境にあるプロチームは存在します。
ホームタウンの積雪量では、コンサドーレ札幌が世界一かもしれません。気温ではフィンランドのRoPSロヴァニエミが世界一寒そうです。ノルウェーのトロムソILは、世界最北のプロチームで北極圏にあります。
ロヴァニエミもトロムソもホームスタジアムは小さく、寒すぎて天然芝が育成しないので人工芝のピッチです。一方北海道は、最北の稚内でさえも天然芝のコートが整備されていますから、まだ恵まれている方だと言えるでしょう。
よくヨーロッパと日本では人気スポーツが違うと言われます。ヨーロッパはサッカー、日本は野球が人気で、特に北海道はサッカーの人気が低いという意見を聞きます。
しかし北欧では、サッカーは人気スポーツではあるけれど、アイスホッケーやハンドボールもかなりの人気で、必ずしもサッカー一辺倒ではありません。
フィンランドでは、サッカーよりアイスホッケーが人気で、国内にプロリーグがあります。同様にスウェーデンやチェコでも、アイスホッケーの方が人気は高いようです。
北海道もサッカーより野球人気が高いのは事実ですが、それでもプロ野球チームは道内に1つしかありません。北海道の野球ファンも、それに不満は無いようです。
こうして見ると、北海道ではプロスポーツに需要が無いのかもしれません。
野球、サッカー、バスケットのプロチームが札幌に1チームあれば、540万人の道民は十分満足しています。これが北海道のプロスポーツ文化なのでしょう。
一方ヨーロッパでは、500万人が暮らす国・地域には、プロサッカーリーグが必然的に誕生して、加えて他のプロスポーツリーグにも需要が生まれます。
その差はどこにあるのか、もう少し考えてみようかと思います。