スタジアム・アリーナ改革ガイドブックに見る未来のスタジアム

2017年6月15日、スポーツ庁と経済産業省はスタジアム・アリーナの設計や維持管理のポイントなどをまとめた「スタジアム・アリーナ改革ガイドブック」を公表しました。

このガイドブックは、スタジアム・アリーナを整備する自治体向けのものですが、スタジアム観戦するファン・サポーターが見ても面白い内容になっています。お役所が作った資料なので堅苦しい感じはありますが、図や写真が多いので分かりやすいと思います。

ガイドブックはスポーツ庁経済産業省のHPからPDFファイルをダウンロードできます。ただし、21MBと重いのでご注意くださいね。

スタジアム・アリーナ改革ガイドブック(PDF形式:21.0MB)

ICTを活用した最新技術がたくさん紹介されていますが、私が注目したのはレーザーレーダーによる選手のリアルタイム位置情報取得システムです。レーザーレーダーは自動車の自動運転などで注目されている最先端の計測技術で、最近はLIDARと呼ばれています。ガイドブックの説明によれば、これが実用化されてくると、選手の視線や臨場感ある視点での疑似体験が可能になるとのこと。どんな感じなのか、実現が待ち遠しいです。


その他にもプレイヤーモーショントラッキングやAIによるシーン自動判定なども紹介されていて、今はテレビやネットで試合を観ていますが、もうすぐVRゴーグルで試合を観る日が来るかもしれません。たくさんのデータが蓄積されるので、サッカーのVRゲームも大きく進化するでしょうね。そして将来的には、AIコーチやAI審判の登場までも予感させます。

ガイドブックの最後には、関係者の名簿が載っていて、サッカー界ではJリーグの井村満チェアマン、FC今治の岡田武史会長の名前がありました。吹田スタジアムや北九州ミクスタなど、最新サッカースタジアムの紹介に加えて、FC今治のスタジアム建設も地域課題の解決に向けた事例としてしっかり紹介されています。今季JFLに参入したばかりのFC今治が、これからどのように地域課題を解決していくのかに注目です。

このガイドブックに沿ってプロ野球、Jリーグ、Bリーグはもちろん、18年秋開幕を目指す卓球Tリーグも視野に入れたスタジアム・アリーナ整備が加速しそうです。プロ野球関連では、日ハム新球場建設がこのガイドブックに沿って進んでいくのでしょうね。

夢が広がって良いのですが、建設費はどこから?
そんな心配にお応えしてか、なんとこのガイドブックには「スタジアム・アリーナ整備に係る資金調達手法・民間資金活用プロセスガイド」というのも載っています。簡単に言うと建設資金の集め方までガイドしているのです。ここは、まだちゃんと読んではいませんが、民間の知恵と資金を使うPPP/PFIかと想像はつきますけどね。