横浜Fマリノスのホームスタジアムでもある日産スタジアムが、2018年6月に全面的にハイブリッド芝に張り替えられます。ハイブリッド芝とは、天然芝に人工芝を組み合わせた芝で、天然芝の根が人工繊維に絡む構造で芝が剥げ難い構造になっています。昨年、浦和レッズの練習場(レッズランド)に導入され、話題となりました。
ハイブリッド芝は「デッソグラスマスター」とか「エクストラグラス」など、様々な商品名で呼ぶことがあります。サッカーの聖地ウェンブリースタジアムに使われているのがデッソグラスマスター、レッズランドで使われたのがエクストラグラスですが、その違いは遠くから見てもよく分かりません。ちなみに、デッソグラスマスターはこのような構造になってます。
引用:株式会社パルカ
欧米で普及しているハイブリッド芝ですが、日本では大型スタジアムでの導入事例はありませんでした。導入が遅れていた理由は、Jリーグのスタジアムライセンスです。Jリーグでは天然芝ピッチしか認めていなかったので、Jチームのホームでの導入はできなかったわけです。
2019年のラグビーW杯では、Jチームのホームスタジアムが、いくつか会場として使われます。ラグビー関係者からは、良好なピッチコンディションでの開催に向けてハイブリッド芝導入への強い要望が出されていました。圧力も強まってきたのか、天然芝にこだわり続けたJリーグが、2017年のスタジアム検査要領改訂で、ついにハイブリッド芝を解禁したのです。
これを受けて、横浜市は日産スタジアムに適したハイブリッド芝の仕様と育成方法を確立する業務の委託手続きに入りました。横浜のみならず、同じラグビーW杯会場となるFC東京の味の素スタジアムや、ヴィッセル神戸のノエビアスタジアム神戸でも、ハイブリッド芝導入への検討が進められています。
コンサドーレのホーム、札幌ドームもラグビーW杯会場なのですが、ハイブリッド芝導入の話は未だ聞こえません。同じくラグビーW杯会場となる福岡のレベルファイブスタジアム、大分の大分銀行ドーム、名古屋の豊田スタジアムなどもハイブリッド化の話を聞きません。J1常連のマリノス、FC東京、ヴィッセルは芝が良くするけど、その他は格下だから必要なしとの判断なのでしょうか。
コンサドーレ札幌は現在J1ですし、今後もJ1に定着する予定でやってます。しかも、ホームの札幌ドームは、日産スタジアムや味の素スタジアムと共にラグビーW杯の翌年、東京オリンピック会場としても使われます。積雪寒冷地でのハイブリッド芝技術の確立に向けては、札幌ドームでの検討が有効だと思うのですが、札幌で話が進まないのはなぜでしょうね。